プロフィール

エメリヤーエンコ・ヒョードル選手について~プロフィール等基本情報

「氷の皇帝」「人類最強の男」として知られるエメリヤーエンコ・ヒョードル。そんなヒョードル選手について全てを語ろうとしたら語りつくせないので、ここでは簡単に彼の基本情報を含んだプロフィールを紹介していきたいと思います。

◆ヒョードルの国籍、実はロシアだけじゃなかった

「人類最強の男」「人類60億分の1」「氷の皇帝」など、どれを取ってもとにかく「強そう」というニックネームをつけられるエメリヤーエンコ・ヒョードル(以下ヒョードル)選手。

誕生日は1976年9月28日。2016年に40歳を迎えています。

PRIDEや他の格闘イベントで「国籍ロシア」と声高らかにアナウンスされますが、実はヒョードルの国籍はロシアだけではありません。出身は当時ソビエト連邦に属されていたウクライナです。しかし所属はロシアチームでロシアの国籍もあるということから「ロシアのヒョードル」として知られています。

さらにテーマ曲がロシア連邦国家など、ガチガチにロシアで固められている状態です。(ロシアとしてもヒョードルが自国民としたいですからね)

◆人類最強の男と呼ばれる所以

ヒョードルが人類最強の男と言われる所以は、柔道での成功とサンボの成功があるからと言えるでしょう。

総合格闘家として知られるヒョードルですが、元々やっていたのは柔道です。しかし組み技だけが強いわけではなく、打撃にも定評があり、打ってよし、組んでよしというまさに隙がない戦い方をするので最強の要素満載です。

それに加え実績も伴っています。PRIDEに参戦すると2003年にはノゲイラを下しヘビー級王座になり、2004年にはヘビー級グランプリに優勝します。

圧巻だったのは2005年、ミルコ・クロコップを撃破し王座を防衛。実績が申し分なく、まさに無敵。2010年に負けるまで実に10年間無敗という記録を作り、他を寄せ付けない輝きを放っていました。

その傍らコンバットサンボの大会に出場して、世界選手権4連覇という偉業を達成させます。

手がつけられない格闘家は、「人類最強の男」「60億分の1の男」など、まさに人間の頂点としての異名とともに崇められることになりました。

◆ヒョードル体格、意外と小さい?

じゃあそんなヒョードル、どのくらい大きいの?とお思いの方が多いでしょう。日本人から見たらまあ大きいですが、実は海外ではザラにいるくらいの体格なのです。

身長183センチ、体重104キロ。ヘビー級ですがヘビー級の中では小さい方です。むしろヒョードルより小さいヘビー級を探す方が難しいくらいです。

にもかかわらずここまでの戦績を上げられたのは柔道で鍛え上げられた組の強さ、打撃センス、緻密に計算しつくされた攻撃、相手を倒す闘争心といったところでしょうか。よく、「体格で劣っている日本人はどうすればいいか」なんて言う議論が出されますが、ヒョードルは恐らく体格で劣っていてもそれを気にせず自分のベストを尽くしていたのではないでしょうか。

ヒョードルを観ていると、本当に体格のせいにはできないという気持ちになってしまいます。

負けなし

エメリヤーエンコ・ヒョードル選手の戦績~勝率9割は超える!?

人類最強の男と称されるエメリヤーエンコ・ヒョードル。彼の戦績はどれほどだったのでしょう。

実は試合に負けることはあるし、常に楽勝をしているというわけではありません。ヒョードル選手の戦績について簡単にまとめてみました。

◆総合格闘家としてのヒョードルの戦績

人類最強の男ヒョードル。

彼のニックネームは物凄いものを感じさせますが、じゃあ負けなかったかといったらそういうわけではありません。

総合格闘家としてのヒョードルの戦績は36勝4敗1ノーコンテストです。しかも8試合は判定までもつれています。つまり強いには強いけど誰も手がつけられないと言う感じではありませんでした。

言ってみれば相撲界の白鵬の方が勝率は良かったと言えるかもしれません。

とはいえヒョードルが総合格闘家人生で凄かったのは2000年から2010年まで無敗を誇っていたということです。しかもその間の相手はアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、藤田和之、小川直也、ミルコ・クロコップ、マーク・ハントと言ったまさに世界最高峰の格闘家たちです。相手が超一流の中でのこの戦績! 蓋を開けてみたらやはり「人類最強の男」がつけられたのは納得がいきますね。

◆ヒョードルがすごいのは総合格闘技だけじゃない!

人類最強の男なんて言ったら、他の競技をしているものが「ちょっと待った」と手を挙げたくなることでしょう。

しかしヒョードルが行っていたのは総合格闘技だけじゃありません。むしろ柔道、サンボが基盤になっての総合格闘技です。

柔道に関して言えば1996年全ロシア柔道選手権大会、1997年ロシア国際トーナメントに優勝を果たし、1998年全ロシア柔道選手権、1999年ロシア国際柔道選手主権、1999年ブルガリア国際柔道選手権でそれぞれ3位になっています。

コンバットサンボの世界選手権では何度も優勝をしていて、サンボ界ではまさに敵なしだったという状態です。

これらの格闘技の戦績を合わせたら優に勝率9割は超えているでしょう。

しかも強い人というのは相手がその人相手にピークを持ってくるのでただの1勝よりも重みがあります。それを加味してのこの戦績はまさに神がかっているとしか言いようがありませんね。

◆ヒョードルの戦績の裏にあるもの

柔道がめちゃくちゃ強い、コンバットサンボでは世界をとれる、打撃でもノックアウトできるキレとパワーを持っている。それでもそれだけではここまでの戦績は残せなかったでしょう。ヒョードルの中の人間力と言うのも、戦績を形成する要素だったのではないかと私は思います。

リングスではいつも手を焼く外国人格闘家に対し(契約に関してだの待遇に対してだの日本人より扱いづらい)ヒョードルは大物であったにもかかわらずそこまで手がかからなかったと言われているし、弟がマフィアに入ってしまった時には馬乗りになって弟をボコボコにし、力づくで辞めさせたというエピソードもあります。

曲がったことが大嫌いと言う人間が強いとは言い切れませんが、そういった自分の中にある確固たる信念というものがこの戦績を左右しているのではないかと思います。

強さ

エメリヤーエンコ・ヒョードル~“人類最強の男”の強さの秘訣とは?

人類最強の男ヒョードル。“人類最強”というのはあまりにも漠然としていて、何が凄いのかわからない人も多いことでしょう。

ここではなぜヒョードルが強いと言われているのか、ヒョードルの凄さは何なのかということに焦点を当てたいと思います。

◆ヒョードルの強さの根元

ヒョードルの強さの根元は柔道にあって柔道にないと言うところです。

どういうことかと申しますと、まずヒョードルは柔道が恐ろしく強かった。それこそ柔道だけやっていたらオリンピックで金メダルを取れる逸材だったでしょうね。

しかしヒョードルは柔道だけをやるという選択肢を選びませんでした。サンボも世界を制覇するレベルまで押し上げ、さらには打撃に関しても磨きに磨きまくりました。

この、

「一つをやれば頂点を極めることができたのに他のものにも手を出してトップレベルまで押し上げている」

と言う部分が世界最強の男と言われる強さの根元ではないかと私は思っています。

オリンピックで金メダルを取る、国民から賞賛される。それはそれで物凄いことです。並大抵のことでは出来ません、しかしヒョードルはその一歩も二歩も上を行って枠に縛られずに「強い奴をぶっ倒す」そういう精神が備えられているのでしょう。

◆ヒョードルの強さの秘訣

話は半分繰り返すようになりますが、ヒョードルの強さは色々な格闘技を行った事によるセンスが身についていることだと思っています。

立ち技で勝負したら磨いた打撃が飛んできてノックアウトされてしまう、寝技で勝負したら築き上げた技で関節を決められたり、締め技を食らってしまう。それにプラスして色々な選手と戦っていることから経験値が高く、安定感と決定力に加え瞬発力、爆発力を備えています。

つまり一言で言うと全部凄いという事です。

ヒョードル選手については攻撃力が取りざたされる中、あまり聞きなれない言葉が守備力です。攻撃力の強い選手は特にそこに目が行きがちですが、ヒョードルは守備にも定評があります。もし格闘技のゲームでスピード、パワー、テクニック、ディフェンス、メンタル何て項目があったら全てグラフの一番上に来てしまい、キャラクターでヒョードルを使うというゲーマーが多くなるでしょうね。

◆ヒョードル選手の恐ろしいエピソード

ヒョードルの恐ろしいところは、緻密な所にあると私は思っています。

例えばボブサップのようなパワーファイターの場合、攻撃力に任せて突っ込んでくると言うイメージがありますよね。しかしヒョードルは相手に効果的な攻撃を常に探っているのです。

ノゲイラ曰く、

「ヒョードルは休んでいる時はじっとしていて、動く時は集中して攻撃してくる」

です。

ヒョードルと対峙するだけで体力が削られそうなのに、相手は休んでるんですよ!

油断も隙もないとはまさにこのことで、ラウンドを重ねるごとに不利になっていく。かと言って開始早々攻撃をしかけたら隙を見つけられて倒される。まさに前に虎、後ろに崖といった感じでしょう。

ヒョードル選手とは戦わないという選択肢を選ぶのがベストですね(笑)。

トレーニング

エメリヤーエンコ・ヒョードル選手を最強にしたトレーニング方法とは?

エメリヤーエンコ・ヒョードルはこの強さのわりに、意外にもそこまで大きい選手ではありません。大きいには大きいですがヘビー級では小さい部類。そんな彼がヘビー級でもトップに君臨しているのはトレーニングのおかげです。それは一体どのようなトレーニング方法だったのでしょうか?

◆トレーニングパートナーが凄い!

ヒョードルが強いということは周知の事実ですが、トレーニングパートナーが誰だかご存知ですか?

元Kー1チャンピオンのアーネストホーストです。

彼はKー1王者にもかかわらずイマイチ派手さがないため、ピーターアーツ、アンディ・フグ、マイク・ベルナルド、ジェロム・レ・バンナといった選手たちよりインパクトがありません。が、チャンピオンなのです。

おそらく上記で挙げた選手は花はありますが、天性のものといった感がどうしても強く写ってしまいます。しかしホーストはコンビネーションで相手を崩すタイプなのでコーチにはうってつけです。

話はちょっと変わりますが、日本人は努力する人間が好きなのにもかかわらず、ホーストのように地味にコンビネーションで相手を崩し倒していくタイプ(と言ってもホーストの破壊力も相当なものですが)一発KOできる花がある選手の方が好きで不思議です。とにかく言ってみれば上記のように破壊力抜群の選手のDNAに緻密さのDNAを加えられたヒョードルは怖すぎるということです

◆トレーニングが結果に現れる

圧倒的な攻撃力で人類最強の男と唄われるヒョードル。それでも彼がトップに君臨する要素としてあげられるのが高い守備力です。トレーニングも怠らず受けるだけでなく交わす技術にも長けています。

ある専門家の話では、一分間に打撃をもらう回数が最も低いファイターの一人だというのです。

あんな攻撃力を持っている上にスイスイ交わしてしまう。そんな相手と一体どう戦えばいいの?と言った感じですよね。はじめの一歩で言えば鷹村の攻撃力に宮田のフットワークといったところでしょうか。やはり倒そうとするのは無理ですね。一発大狙いしてカウンターをやられるという危険性もありますし…

◆ウェイトトレーニングを積極的に取り入れている

ヒョードルは地道なウェイトトレーニングをとりいれています。これは総合格闘技に転向する前から行っていて、これによってヘビー級でも戦える肉体を作りました。

軍に所属していたときでもウェイトトレーニングは怠らなかったといいます。

総合格闘技に転向してからは自重でのトレーニングに切り替えていたようですが、今ではまたウェイトトレーニングを重ねているようです。

元々大柄だったわけではないヒョードルがあそこまでヘビー級に適した体型になった背景には過酷なウェイトトレーニングがあった事でしょう。

ヒョードルは何も最初から完璧な恵まれた体があって絶対王者に君臨しているというわけではなく、様々なトレーニングを妥協する事なく取り入れて、さらに最高のトレーニングパートナーを得てここまで登ってきたのです!

 

高阪戦

最強の男・エメリヤーエンコ・ヒョードル、これまでに負けた試合は?

人類最強の男と称されるエメリヤーエンコ・ヒョードル選手。さぞ試合で負けを喫した事はないのでは?と思われる方がいるかもしれませんが、そんな事はありません。人類最強と言っても負ける時は負けるのです。

◆日本人でヒョードルに勝った選手がいる!

人類最強の男と言う凄すぎるニックネームを持っているヒョードル。そんな彼でも負ける事はあります。だって人間だもの。

しかも、ヒョードルにリングスで勝った日本人がいます。高阪剛(こうさかつよし)選手です。

じゃあその高阪、めちゃくちゃ凄かったのかというと意外にそういうわけでもない。通算成績は23勝16敗と勝ったり負けたりを繰り返している選手です。

とはいえ、ヒョードルに勝ったり、ノゲイラに対してドローに持ち込んだりと大物に強い印象があります。(しかしその後のヒョードルの対戦ではTKOで負け、さらにはノゲイラに対しては判定の0ー3で負けています)

しかしヒョードルのデビュー戦というわけではなく、ある程度勝ちを続けていた上での勝利だったため、ただ単に運が良かったからというわけではないでしょう。

ちなみに高阪も柔道の出身でヒョードルとは相性が良かったと言えるのかもしれません。さらにどうでもいい薀蓄ですが、高阪剛の先祖は戦国武将の高坂昌信(こうさかまさのぶ、なぜ坂の字が違うかは不明)で武田信玄に仕えていました。

◆ヒョードル、10年ぶりに負ける

さて人類最強の男ヒョードルに話を戻します。

高阪に負けたヒョードルの伝説はそこから始まります。なぜならそれから10年間誰にも負けていないのです。28試合無敗です。相撲で置き換えるとほぼ二場所全勝優勝という事になります。まさに他を寄せ付けないとはこの事でしょう。

そんなヒョードルですが、いつになったら負けるのか。負けをつけるのは誰なのかと言うところに焦点が当てられました。

そしてヒョードルに負けをつけたのはファブリシオ・ヴェウドゥム。舌を噛みそうな名前ですね。ブラジリアン柔術を基盤とし、柔道やムエタイもやっている総合格闘家です。ヒョードルはヴェウドゥムの負けを含む3連敗をしてしまいました。(他はアントニオ・シウバとダン・ヘンダーソン)いよいよヒョードルの最強説に終止符を打たれたと言ってもいいでしょう。

◆負ける時は結構あっさり負ける!?

そんなヒョードルですが、負ける時は意外とあっさり負けてしまいます。高阪に対しては17秒でTKO負けしてしまい、ヴェウドゥムには1分9秒で負けてしまいます。アントニオ・シウバに対しては2R終了時にドクターストップがかかりましたが、ダン・ヘンダーソンに対してはやはり1Rで負けています。

その後3連勝した後引退しますが、2015年の大晦日に復帰。復帰後は連勝を重ね、引退前と後を合わせて現在5連勝中。内容を見たらやはり全盛期に比べ陰りはありますが、結果だけを見れば人類最強の男が帰ってきたと言ってもいいかもしれませんね!

引退

エメリヤーエンコ・ヒョードル、2012年に引退! その理由とは?

人類最強の男・エメリヤーエンコ・ヒョードル選手ですが、2012年6月21日に現役引退する事を表明しました。このニュースは総合格闘技のみならず格闘技全体を震撼させ、たくさんのファンがショックを受けました。その引退の理由とは何だったのでしょうか?

◆人類最強の男と言ってもやはり人類

人類最強の男と言ってももちろん人間です(だから人類最強と言うニックネームがつくわけですが)。スポーツ選手である以上引退は訪れます。もちろんそれはヒョードルも例外ではなく、サンクトペテルブルクで行われたペドロ・ヒーゾをTKOで下し引退を宣言しました。

多くのファンからはまだやれるんじゃないかと惜しまれつつも、3連敗した事もあり辛口のファンからは強さに陰りが見えたとも言われていました。

引退の際にはプーチン大統領からリング上で祝福されるなど、まさにロシアアスリート界のトップにいたと言っても過言ではないでしょう。実際ロシアでは長年活躍したトップアスリートだけがもらう事ができるスポーツマイスターの称号を持っています。

2010年には日本だけでなくアメリカでもその強さが賞賛され、総合格闘技界全体で最強と評価されていました。そんなヒョードルの引退はやはり世界に衝撃を走らせるには十分すぎるニュースでした。

◆強敵を次々と撃破した

ヒョードルだけでなく多くのトップアスリートが引退する際、もしくは引退直後にはプレイバックをするものです。ヒョードルのプレイバックをする際に出てくる男達が強敵すぎです。アントニオ・ノゲイラ、ミルコ・クロコップ、マーク・ハント。格闘ファンでなくても一度は耳にした事がある名前ではないでしょうか。

とにかく強敵を撃破しまくったヒョードルの引退は、格闘技全体でまさに宝を失ったと言うにふさわしい出来事です。

ちなみにヒョードルは親日家でもあり、2011年の大晦日では破格の値段で元柔道金メダリストの石井と対戦しました。これがヒョードルが日本で戦った最後の試合です。

◆ヒョードル引退の理由とは?

ヒョードル選手の引退の理由は、家族のためです。地位も名声も手に入れたヒョードルクラスになると引退は逆にシンプルになるものですね。

しかし実はそれだけではなく、その後に「いいオファーも来ないので」と付け足しています。

この言葉で「おやおや?」と思いませんか?これに関しては「もしいいオファーが来るのであればまた現役復帰をしてくれるのではないか」と思わせるニュアンスを含ませていました。(結果的に復帰することになるのですが)

とはいえ一旦現役引退を表明し、人類最強の男が総合格闘技界から消えました。

かといってニュースターが台頭するというわけではなく、その絶対王者的ポジションを埋めるものは誰も現れませんでした。ヒョードルが凄すぎたので当たり前といえば当たり前かもしれませんが……

理由

エメリヤーエンコ・ヒョードル選手の復帰~まだまだお前の時代だ!

エメリヤーエンコ・ヒョードルの引退の際、ひょっとして復帰してくるんじゃないの?と思っていたファンは少なくないはず。そして、やっぱり、ついに、戻ってきました、人類最強の男、氷の皇帝ヒョードルが!

◆やっぱりまだまだヒョードルの時代だ!

2015年大晦日。RIZINでヒョードルは復帰を果たします。

引退してから復帰するまでの3年半。短いようで長かった。その間化け物級選手のデビューはなく、ヒョードル復帰を熱望していたファンは相当多かったことでしょう。

そもそも引退時でもまだまだやれそうな感があったヒョードル。元々彼はPRIDEは好きだったがケージで行うUFCはあまり好きではなかったとの事。これは日本にいるためそのような日本贔屓の情報が飛び交っているためそう言われているのかもしれませんが、とにかくヒョードルは日本贔屓だというのは十中八九本物でしょう。

その彼がRIZINをトップの総合格闘技に押し上げようとしているのは恐らく本気でしょう。つまりまだカリスマ性がヒョードルには存在しているという事で、この復帰は彼の経歴云々は別として格闘技界にとってはプラスでしょう!

◆若手のカードより見ごたえのあるベテラン勢

ただ問題なのはいつまでも人気があるのはベテラン勢と言う状態。ヒョードルだけでなくミルコ・クロコップしかりヴァンダレイ・シルバしかり、常に客を沸かせているのはベテラン勢です。ヒョードルの復帰劇はこのベテラン勢の人気に乗っかって、と言う思いもあるのかもしれません。

またもう一つの見方として、ロシア全体に格闘熱を促すための復帰であるとも言われています。

後者の方が有力視されていますが、私はただ単にヒョードルが『闘いたかった』と捉えています。総合格闘技のピークは他の競技と比べたら遅い感があり、まだまだ一戦で闘える。そこに来て舞台が整った。なので個人的に再挑戦をしたいと思っていると踏んでいます。

◆ヒョードルの復帰は格闘界を盛り上げる!

再び格闘技熱を出せるかどうかはRIZINにかかっているでしょう。しかしまだまだベテラン頼りと言った感が否めません。未だ人気があるヒョードル、クロコップあたりを連続で撃破するようなニュースターが出た時初めてRIZINの幕開けとなるのではないでしょうか。

ヒョードルの復帰は格闘界に光をもたらしましたが、爆発を引き起こすにはヒョードルを超える存在が不可欠だと思います。一人に勝っても凄いけど、それだとただ賞賛されるだけ。二人の超大物食いをしてヒョードルらに対し「こいつには敵わないから引退する」なんて言わせたら本物です!

ヒョードル選手、前回の引退はまだやれるけどなんとなく引退するという感じでした。

今度はそうではなく、「もう通用しないから引退する」と言わせて、RIZINブーム、格闘技ブームを起こして欲しいものです。

理由

エメリヤーエンコ・ヒョードル選手の現在~戦い続ける理由とは?

ここでは復帰後したエメリヤーエンコ・ヒョードル選手の現在について触れたいと思います。

◆まずはヒョードル選手の引退についておさらい

ヒョードルが引退する際、「まだできるんじゃないか」、「やはり全盛期に比べると陰りがある」といろいろな意見がありました。

しかしヒョードルは家族との時間を取るための引退、そしていい契約がなかったことに対して引退を決意したと語っていました。

ということはですよ、家族は置いておいて、いい契約があればひょっとすればひょっとするかも(つまり復帰することがあるかも)と思った人は少なくないでしょう。つまり舞台さえ整えば現役復帰は十分に考えられること。本人の中では戻る可能性もあると考えていたのでしょう。おそらくヒョードル選手はやってましたよ、その間もトレーニングを!

そして予想通り戻ってきました!引退からの復帰です!!

戻ってきた一番の要因はRIZINが立ち上げられたこと。RIZINはヒョードルが好きだったPRIDEのスタッフが立ち上げました。これは「いい契約」に当たるため戻ってきたということです。おそらく引退中家族との時間も十分取れ、充電はできたものだと思われます。

◆現在のヒョードル選手の役割

もちろんRIZIN参戦です。ヒョードル選手の現在の目標はRIZINの発展とロシアの若手の格闘熱を上げることです。

現在ヒョードルはリングに復帰して2連勝。前のように10年無敗というのはかなり難しいでしょうけど、若手に対して自分の存在を示すことはできるでしょう。

さらに若手の成長を促す壁としてトップ格闘家として君臨することでRIZINの発展にもつながります。

以前のヒョードルとは違い、現在のヒョードルの役割は変わってきています。それが強くいる上でいいのか悪いのかは一概には言えませんが、この背負っているものはヒョードルに対して戦い続ける理由をあたえてくれるといえるでしょう。

ヒョードルがRIZINで活躍し続ける限り、ロシアの若者だけでなく、日本の若者に対してもいい影響を及ぼしてくれるでしょう。

◆ヒョードルの生き様~「男はこうあるべきだ!」

復帰する前ヒョードルはロシアのスポーツ省特別補佐官をしていました。ロシアのそのポジションにどこまでの権限があり、どのような待遇があったかは定かではありませんが、恐らく日本の高官より優遇されてはいたことでしょう。

そのポジションを捨て、現在また過酷なトレーニングをし日々自分を鍛え上げているのです。これはトップアスリートにしか分からないことですが「損得勘定」ではないのでしょう。

そんなヒョードルに対し馳浩文部科学大臣は「ロシアとにほんの交流、スポーツ振興に大きな貢献を果たした」という事で記念のベルトを贈っています。

「男はこうあるべきだ!」と思わせてくれるヒョードルの生き様ですが、いざ自分がとなったらやはり損得勘定を優先してしまいますよね。さすが人類最強の男と呼ばれた者だと言うくらい、ヒョードルの選手はスカッとする人間です!

名言

最強の男・エメリヤーエンコ・ヒョードル選手の「名言」まとめ!

人類最強の男、エメリヤーエンコ・ヒョードル。彼はリングでその絶対的な強さを証明しましたが、リング外でも心打たれるような名言を残しています。ここではそんなヒョードル選手の名言についてまとめてみました。

◆「自分には才能がない」

ヒョードルの名言中の名言中、

「自分には才能がない。健康を害したとしても努力する必要があった。努力をしていればいつか結果が伴ってくると信じていた」

この言葉について私なりの見解をいうとすると、ヒョードルには才能があったと言うことです。

ですが、才能というのは人によってまちまち。例えばなんの努力をしなくてもすぐに強くなってしまう才能がある人間。ごく稀にいますね。しかしいずれどこかで壁にぶち当たり努力をする必要があります。

そしてヒョードルの才能は、「相当努力しなければ身を結ぶことができない才能」だったのではないかと私は思います。そういった人間は努力に才能が融合して初めて強くなるのですが、強くなった時の度合いは半端ないと思います。

相撲の白鵬もこのタイプだと思っています。彼は序ノ口(相撲で一番階級が下のクラス)で最初負け越しました。それが努力に努力を重ねて才能と衝突した時、とんでもない力を発揮したのです。誰しも序ノ口くらい7戦全勝で楽に序二段に昇進しないと上に上がった時に通用しないと思いがちですが、そういうもの達だけが強くなるというわけではないということをヒョードルしかり、白鵬しかり、証明してくれています!

◆震災後の日本に対するヒョードルのコメント

名言とはちょっと違うかもしれませんが、親日家のヒョードルは震災後の日本に対してコメントを残してくれています。

「震災を知り居ても立っても居られなくなった。神の導きのままにこの困難な状況に打ち勝って下さい。アリーナで会いましょう」

震災が起こった日本に対して著名人が多数メッセージを寄せてくれました。その中にヒョードルも含まれています。

彼は引退していた身。震災が起きたから復帰を決意したとは思いませんが、復帰戦を日本で行ったというのは震災を受けた人のみならず、日本国民が祝福したい出来事と言っていいと思います。

彼の復帰を見て元気になる人間は少なからずいます。そういう意味では彼に賞賛したい念とともに、感謝の念も伝えたいです。

◆原点を忘れない

人類最強の男ヒョードルですが、元々やっていた競技を忘れたわけではありません。

「私にとってサンボは目標である。哲学である。サンボが無ければいまの自分を想像することはできない」

とあくまでもロシア発祥の格闘技サンボに対して敬意を払っているのです。

言ってみればヒョードルは何が自分を強くしているのかということを熟知しています。「自分の努力が」とか「運が良かったから」と言うよりも「サンボが私を強くした」と言う方が深みがある気がします。もちろんヒョードルほど道を極めた人間が言っているため確証めいたものがあるわけですが…。

リング外でも他を魅了し続けたヒョードル。復帰したことにより今後もまた彼の名言が飛び交うことでしょう。

かば

【番外編】最強の男・ヒョードル選手が描く絵がかわいすぎると話題に(笑)!

人類最強の男エメリヤーエンコ・ヒョードル。なんと彼、絵を描くというみんなが「えっ?」と言いそうな趣味も持っているんです。しかもかなりうまい!それだけでなく、かわいい絵(笑)。ここではそんな彼の絵について触れたいと思います。

◆ヒョードル選手、実は絵、うまいんです

えっ?人類最強の男が、あの氷の皇帝が絵ですか?

一瞬そう思ってしまいますよね(笑)。私も最初ヒョードルの趣味が「絵」と聞いて「えっ?」とつぶやいてしまいました。

ヒョードル選手の絵。アニメキャラクターちっくな絵がかわいいのはもちろんのこと、そのポーズもかなり個性的でかわいいです。絵が全然わからない素人からしてみたら、

「イラストレーターとしても食っていけるんじゃない?」(もちろんイラストレーターはそんなに簡単なものじゃないと思いますが)

と言葉にしたくなってしまうほど上手いです。見ていて飽きない上に、癒されてしまうほどです。この絵を見てしまったら、ヒョードルファンはさらに彼の魅力に惹かれてしまうのではないでしょうか。女性だったらこの絵を見ただけで母性本能をくすぐられてしまうかも!? いずれにしてもギャップ萌えの人にはたまらない作品です。

しかも一つ一つの絵に意味合いを持たせているため、解説文を読むと、

「なるほど!」

と思ってしまうことでしょう。

◆youtubeやNEVERまとめでヒョードルの絵が公開されている!

「ヒョードル、絵」とネットで検索したら数点出てきます。そして私が一番おすすめなのはyoutubeやNEVERまとめで彼の作品をみることです。特にNEVERまとめは解説が的確。ニコ動も面白いですw

例えば河馬(かば)。河馬が水夫の格好をしているのですが、水夫を世界を飛び回る自由人としてとらえ、カバを動物界最強と捉えている。つまり、この水夫の格好をしたカバ=世界をわたりあるく最強戦士というヒョードル自身を表しています。

ぱっと見可愛いキャラでうまい絵なのでそんな深くまで考えなくても十分楽しめるのですが、こういった解説文を見てしまうとさらに凄さがわかってしまいます。私は絵心がないのでうらやましい限りです。

◆まだまだあるヒョードルの名作!

先ほど河馬を紹介したわけですが、ヒョードル選手の描いた作品は裏の意味を持つものばっかり。

例えば耳のとがった男が、大きい耳は獣を印象付け獰猛さをあらわしているが、表情は何かに怯えている様が伺えます。強いヒョードルでも不安を抱えているということを意味しています。

また、リスに関して言うと、リスが切り株に立って進行方向を指差しています。さらに切り株には顔が描かれています。これに対しては切り株をリング、リスはヒョードルをあらわしていて、全ての男たちを倒して自分が船頭となるということを暗示しているようです。

この他サルやひよこなどもいて、それぞれ意味をもたせています。

ヒョードル選手の絵はそうした裏の意味を知らずただ「うまいな」と見るだけでももちろん楽しめます。絵に対しては「こういった見方をしなければいけない」ということはないので自由に楽しんでみてください。

とにかく、「人類最強の男の絵、面白いな!」と思えることは間違いなしです(笑)。

以上、エメリヤーエンコ・ヒョードルが世界最強格闘家である所以について考察してきましたが、いかがだったでしょうか?

2016年、40歳を迎えたヒョードル選手。これからもまだまだ戦う姿を見たいですね!